肇さんとのお付き合いが始まってからおよそ3ヶ月。
一緒にクリスマスを過ごし、一緒に年を越して、一緒に初詣にも行きました。
そのおかげか、今年の冬は去年までと違ってとても温かいとさえ錯覚するほど。
……ふふっ、錯覚なんかじゃありませんよね。
隙あらば肇さんにぴったりと身を寄せているのだから、
寒さなんてちっとも感じるわけがない。
そのくらい私たちはラブラブなんです♪
「はあ……幸せすぎて怖いです」
フフフッ、まさかこんなドラマのようなセリフを口にする日がくるなんて驚きです。
……というのが私の見解。
ですがだからこそ不安になってしまう。
『3ヶ月で別れるカップルは多いらしい』
噂は噂ですが、調べれば調べるほどそれらしい話ばかりが目についてしまう。
こんなに盛り上がっているのは私だけではないのか?
肇さんの気持ちは冷めていないだろうか?
もちろん肇さんを疑っているわけではないし、
だからこそ間違っても本人にそんなことを訊くことはできない。
なぜならそんなことを質問する時点で疑っていることに変わりないからだ。
そこで私は考えました。
マンネリが大敵ならば、変化をつけてみよう……と。
誰かに――特に青葉さんにそれとな~く探りを入れてもらうこともできるけれど、
まずは私自身が努力をしなければ結局は何も変わらないからです!
「ええと、フムフム……?」
『マンネリ 解消』で検索をかけると、たくさんのそれらしい記事がヒットする。
どうやら思い切ってキャラを変えてみるのもありらしいです。
「とはいえ……そもそも肇さんにとって、私はどんなキャラなんでしょう?」
内面的な部分はわからないけれど、『大人しい』というイメージはあるはず。
となるとその反対は『活発』『積極的』。
あっ、そういえば以前お風呂で水遊びをした時――
『ああああぁ乳首いいいいぃ!』
「そうコレです!!」
私が肇さんの乳首を水鉄砲で撃った時、ものすごく喜んでくれていたような……!?
実は肇さん、口には出さないだけで本当は攻められるのがお好きなのかもしれません!
「自然とエッチな方向に思考が傾いてしまいますね。でもこれはあくまで今後の私たちのためですよ」
この場合いわゆる『女王様』というものでしょうか?
私にそんなキャラを演じることができるのかいささかの不安はありますが……
妄想スタートッ!!
「ほ~ら肇さん、気持ちいいですか? でも私がいいって言うまでイッちゃダメですからね?」
イメージの中で、大きく膨れた肇さんのアソコを私は足の裏を使って弄ぶ。
「勝手にイッたらお仕置きですからね? ほらほら、我慢ですよ我慢♪」
フフフッ……そんな寂しそうな顔をしてもダメですよ。
私は肇さんのその切ない顔が見たくて堪らないんです。
胸の奥が震え、ゾクゾクする感覚が止まらないんです。
「腰がカクカク動いちゃってますね? イキたいんですか? そんなにビュッビュッってしたいんですか?」
でもダメです、今日は私が管理しちゃうんですから――
「……って、あはっ♪ も~肇さんったらぁ」
弾けるように、白く濁った熱いドロドロが私の太ももがけて勢いよく飛んでくる。
「あーあ。ドクドクって、すごい……こんなにたくさん」
頑張って我慢しようとしていた反動か、なかなかその勢いは衰えない。
「フフフフッ、あれほど言ったのに。勝手にイッちゃダメじゃないですか?」
そんなにも気持ちよかったんでしょうか、ぐったりとした表情が私の心をまたくすぐる。
「私の脚、肇さんのドロドロでこーんなに汚されちゃって……」
「はい肇さん♪」
白く汚れたつま先を、肇さんの口元に差し出す。
「しっかり舐めてくださいね~? 綺麗になるまで、やめちゃダメですよ♪」
ああッ、私ったら肇さんにこんな命令をするなんて!?
ドンドンエッチな気持ちが溢れてきて……もう私ッ!
「ねえねえねえ香純姉! 舐めるって何を!? お菓子!? 私にもちょうだい!」
「きゃああああああぁ青葉さぁああああああん!?」
突然の青葉さんの声に、一瞬で現実に引き戻される。
なぜ私の部屋に青葉さんが!? というか妄想が声に出てた!? そもそもどこから聞かれてたんですか!?
「あ、あの……青葉さん? いつからそこに?」
「私? 香純姉が、しっかり舐めて~とか言ってるところからだよ? ねーねー何食べてたのお!」
よかった……どうやら肝心なところは聞かれてなかったみたいで。
「え、えっと……ベルギーのチョコ、食べますか?」
「やったー! 食べる食べる! 私その犬の名前のチョコ大好きーッ!」
こうしてなんとか話を逸らすことは出来たものの……
マンネリ阻止の努力と同時に、素直に青葉さんにも頼ろうと思うのだった。
END