『男のモテ期は3度ある』
クラスメイトにそう言われ、何の根拠もなくそれを信じてみようと思った、ある冬の日。
俺は一人で、ずっと自身の恋愛について考えていた。
彼女は欲しい。
しかし恋愛は、俺にはハードルが高すぎて難しい。
そう考える根拠は3つある。
一つは『出会い』
純粋に運によるものが大きく、
こればかりは努力するにしても難しい。
二つ目は『タイミング』
意中の相手が現れても、好きになったタイミング、
好意を告げるタイミング。
恋愛には常にこの『タイミング』がついてまわると思う。
そして三つ目は『ただ彼女が欲しいわけではない』
という俺自身の気持ちだった。
彼女は欲しいが、
ちゃんと恋愛のという名のステップは踏んでいきたい。
そんなロマンが俺の乾いた心にもしっかりとあった。
果たしてこんな俺にも、
本当にモテ期が3度も来るのだろうか?
世界は常に、毎日様々な選択と決定に満ちている。
俺はそんな広い世界の中で、
自分の運命を努力でもってたぐり寄せていきたい。
そんなことを漠然と思う、学園に通って2年目の冬だった。
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