> スペシャルWEBミニエピソード「ディーナの耳かき」
シナリオ:松倉慎二 イラスト:RINKS
◆ ◆ ◆
怜二くんに膝枕をして、耳かきで彼の耳を掃除する。
元々はサーモたちや家の子たちにしてたんだけど、
彼だけしないのも変かなと思って声かけたんだっけ。
「んー、今回はあんまり溜まってないみたいね」
未だに恥ずかしがっているみたいで耳掃除をしてる間はずっと黙っている怜二くん。
そんな仕草が可愛く見えて、
つい意地悪をしたくなっちゃうけど……
意地悪したらきっともう耳かきさせてもらえないだろうし。
怜二くんはどう思ってるかわからないけど、
こうして彼の耳掃除をしている時間が好きになっていた。
いつもレゾナと一緒に家の子たちをまとめたり、
ここぞという時はしっかりしてて男らしいところがあるし……
そんな彼がこうして無防備な姿を私に見せてくれていると思うと嬉しくなる。
(不思議よね……こうして甘えてくれるだけで心が温かくなるなんて……)
本当ならこうして私が彼の耳掃除をしなくても自分で出来るのに、こうして私にさせてくれる……
彼に何かをしてあげたい。
そんな気持ちが湧き上がってくるのを抑えられない。
怜二くんが私の中でどんどん特別な存在になっていく。
「ふぅー……よし、こっちの耳はおしまいね。反対の耳もやるからねー」
耳掃除も毎日出来るわけじゃないし、
もっと怜二くんが私に甘えてくれるようにならないかなあ。
もっともっと、この二人だけの特別な時間が続けばいいのに……
END