「お前は命が惜しくなかったのか」
「私は仔細あって、切腹をもうしつけられておりました。 そこにこのお役目が」
「ではこの役目が済めば、切腹は許されますか?」
「そのお約束でございました」
「人の生死は構いませんが切腹は嫌いです。 しかし思いがけなくお前の命を助けました」
「……好い夜だ。それではお帰り」