ついに発売されました_summerビジュアルファンブック。今回は、その制作を担当された編集チーム「TRAP」さんに、あらためてアンサマVFBの見どころを、編集サイドからのオススメポイントやちょっとした裏話も交えつつ、うかがってみました。題して…
ここがヤバイよ!アンサマVFB!!
黒:TRAP 青:HOOK *VFB = Visual Fan
Book
どうもTRAPです。VFBの制作期間は9月から11月上旬くらいでしたけど、今年は予約キャンペーンのHOOKビジュアルブックもお手伝いさせていただきましたから、なんだかんだでよくお会いしてましたね。今後ともよろしくお願いします(笑)。
――いえいえ、こちらこそ。TRAPさんというと『Like Life』のときにもファンブックを担当してもらってますが、今回のアンサマVFBで前ととくに違うところってあります?
本を作る上での基本姿勢みたいなものは同じなんですが、ユーザーさんから見て『Like Life』のファンブックとの一番大きな違いというと、やっぱりCDロムつきではないということになるでしょうか。こう言うとマイナスイメージなんですけど、実際はページ数もだいぶ増えてますし、本としてはかなりレベルアップしてるんですよ。『Like
Life』ファンブックや『_summer』特典のHOOKビジュアルブックとは、デザインや構成の印象が違っている部分があるかもしれませんが、それも出版元のキルタイムコミュニケーションさんの影響です。
それと2300円という価格は最近のVFBの相場から言ってもリーズナブルだと思いますよ。これも亜佐美さんの「ユーザーさんが買いやすい価格にしてほしい」という希望に応えて、キルタイムさんががんばったところですね。
――VFBって、けっこうお値段しますもんね。
よくそう言われますよね。でも制作側から言わせてもらえば、A4サイズの本で全体の8割くらいがカラーページとなると、どうしてもそのくらいの価格になっちゃうんですよ。まあ何十万部も売れる本なら別ですが、VFBの場合、基本的にゲームの販売本数より売れることはないですからね。
――より豪華で、よりお求め安い価格のファンブックが出るためには…?
HOOKさんのゲームが超大ヒットすれば…ド●クエくらい(笑)。
――OKです。ド●クエ目指してがんばります。
マジですか!?
――マジです。ふふり。
――さて、それでは今回のアンサマVFBの内容なんですが、一番のアピールポイントはなんでしょう?
やっぱり書き下ろしの多さでしょうね。これは編集サイドががんばったというより、HOOKさんがめちゃめちゃ協力的だったということですけど。カバーやポスターはもちろん、短篇小説やスタッフコラム、コメントなどなど、もりだくさんやっていただいたので、充実したファンブックにできました。
――たしかにたくさん書き下ろししました。うちの無人さんなんか悲鳴を上げてましたよ。
そうですねぇ、無人さんって、ディレクター兼任だから、VFB用の素材のやりとりと、自分担当の書き下ろし小説、両方やってて大変でしたよね。それに、ちょっと罪悪感を感じてしまいますが、コメント関係とか、かなりいろいろ頼んじゃいましたから。また頼むと大概のことはやってくれるんですよ。
――無人さんはM気質なんです(笑)。
そもそも書き下ろし小説も、最初の打ち合わせでは1本だけの予定だったんですよ。でも途中でご本人から「そこそこ長めのを1本よりも、短い小ネタで2〜3本のほうが書きやすいかも」という提案がありまして、いつのまにか増えてました。しかも出来上がったものは「それぞれがそこそこ長い」という(笑)。
観光ガイド風に成西を紹介するコーナーがありますけど、これなんかもあらためて詳しい舞台設定を起こしてもらいましたし。
――それ、おぼろげにしか決めていなかった各場所の位置関係とかどうしよう、って悩んでたみたいですよ(笑)。
イラストマップをつくるためのきちんとした資料が必要でしたからね。なぜか本編未登場の場所もいくつか紹介されてますが…これはコンシューマ版で活かされるとかゴニョゴニョ。
――せっかく細かい舞台設定ができたので、ユーザーさんに同人誌とか作ってもらえるとHOOKとしても嬉しいですね。
聞くところによると、このあとも来年いっぱい仕事のスケジュールぎっしりだとか…。
――お返しディスクやPS2版の仕事も始まってますし、もちろん次回作もありますからね。
ホントご多忙なところありがとうございました。でも飲みに誘うと来てくれる無人さんが大好きです(笑)。
あと…今回、何気に山根さん大活躍なんですよね。本文内のカット用にヒロイン+治・マスターのちびキャラを描いてもらいましたが、かなりカワイイのでカバーの裏側にも使ってしまいました。なぜか若菜だけ猫耳バージョン(※)があってビックリしましたけど。
※カバーのどこかに載っています
――書き下ろし以外にもインタビューや資料関係もいろいろ充実してますよね。
まずはスタッフ座談会でしょうね。スタッフインタビューはVFBの中でも注目度の高い記事ですし、開発の裏話満載のロングインタビューにできてよかったです。それに声優のまきいづみさん・新堂真弓さんが参加しているインタビューというのはなかなか貴重だと思います。おふたりに修学旅行の覗きシーンについて聞いたときの感想とか、大変興味深いですよ。
――スタッフコラムのページはどうですか? ぼくら的にやりたかったことではあるんですが、意外と大変だったので…。
全員参加ですもんねぇ。しかも絵を描ける人はイラスト必須という、とても面倒な要望に応えていただきましたし。普段あまり表に出る機会のないスタッフさんのことも分かるし、ユーザーさんとしても楽しめるページになったんじゃないでしょうか。個人的には山根さんのコラムが明らかに他の人たちと違う雰囲気でおもしろかったです。あと、さりげなく新堂さんもゲストでコラムを書いてくれてるんですよね。山根さんに描いてもらった挿絵の似顔絵もいい感じでした。
――あのイラストは新堂さんの右手が……マネージャーさんに怒られるかと思いましたけどね(笑)。
洒落の分かる人でよかったですよね。
――設定資料&原画コーナーはいかがでしょうか?
まかこさんの初期ラフ画とかいっぱいあって見ごたえあるんですが、加えて普段あまり見せてくれないらっこさんのラフ原画も一部掲載に成功してます。これは必見ですね。しかも全イベントシーンに対して開発陣のコメントつきなのがスゴイです。
――主題歌楽譜のページにも松浦さんや橋本みゆきさん、遊女さんたち楽曲スタッフのコメントがありますし、この本にはアンサマに関わった主要スタッフほとんどのコメントが入ってますよね。
こういうのって、それぞれのスタッフさん個人には、直接の利益はなにもないじゃないですか。まったくのサービス。サービス精神以外のなにものでもありませんよね。スタッフが10人以上いるようなメーカーで、ただでさえ忙しいときに全員でなにかやってくれと頼んで、やってくれるところはそうそうないと思いますよ。ありがたいことです。
――ぼくらファンサービスが好きなんですよ。なんと言ってもユーザーさんあってのHOOKですから。できることは出し惜しみしませんよ。
そういう意味で、この本はそんなHOOKらしさがめいっぱい出た本になっていると思います。他のメーカーさんじゃ、なかなかこうは行かなかったかも。常套句なんですけど、まさにファン必携の書という言葉がぴったり。HOOK万歳! アンサマVFB万歳!
…と、これくらいプッシュしとけば買ってもらえますかね? とにかく、何卒よろしくお願いいたします。
――きっと買ってくれるに違いありません(笑)。本日はありがとうございました。
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キルタイムコミュニケーション様
アンダーバーサマービジュアルファンブックの発売を記念して、カバー、ポスターの描きおろしイラストがテレホンカードになりました!
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TRAP(トラップ):こんにちは、編集チームTRAPです。ゲーム・アニメジャンルで雑誌やVFB制作など中心に活動しております。HOOK作品ではこれまでも『Like
Life』ビジュアルワークスや、『_summer』予約キャンペーン特典のHOOKビジュアルブックの制作を担当させていただきました。特典本でキャラ相関図に若菜様が3人いるのと、テックジャイアン編集者のおふたりの写真が逆なのは、うちのせいです。HOOKさんに罪はありませんごめんなさいごめんなさいほんとごめんなさい。
イラストギャラリー
雑誌や販促物用のイラストを一挙掲載。テックジャイアンに載った4コマなどもまとめて見られるのがGOOD
本編キャラ・CG紹介
本編CG&ストーリー紹介。もちろんこの本のメインです。それぞれの「_summer」として各ヒロインのモノローグも掲載
舞台設定ガイド
物語の舞台となる成西市を背景CGとイラストマップ付きで観光ガイド風に紹介。これで成西の地理もバッチリ
スタッフ大座談会
亜佐美晶、川波無人、らっこ、山根呂兵、keiのHOOK開発陣に加え、声優まきいづみさん、新堂真弓さんがゲスト参加
スタッフルーム
それぞれの個性?が出ていて愉快なHOOKスタッフ全員によるコラム集。コイン王女役・新堂真弓さんのゲストコラムも♪
声優さんインタビュー
小奈美からめがねの高橋さんまで、ヒロインを演じた声優さん全員を直撃インタビュー
設定資料&原画集
設定画やイベントグラフィックの原画をスタッフの解説コメント付きで紹介。ピンク髪の小奈美などレアな初期資料も拝めます
小説ページ
小奈美と信乃の出会い、メイドになった千輪と匠の珍妙な休日など、本編を深く補完したりしなかったりの短篇小説
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